設計事務所のつくる住宅〜窓 景色

「窓」は住宅設計をする上で、とても重要な要素の一つです。
窓には採光通風はもちろん、視線の透過による空間の広がり(開放感)内部と外部の連続性等々、様々な役割があります。
今回は、その中でも、「景色を切り取る窓」について書こうと思います。
窓の位置や形状を工夫する事で、見たい景色のみを切り取り、その景色をより強調する事が出来ます。

間#10の中二階部分の窓です。
横長の嵌め殺し(FIX)窓を取り付け、田園風景を切り取っています。取り付け位置は、立っている時も、座った時にも景色が見易い様に、低めに取り付けてあります。同じ景色でも、窓の形状を変えると、雰囲気が変わります。

はめ殺しの窓を縦長にする事で、奥行きが出て、空や山が見えてきます。
又、位置や形状の工夫は、更地の時には気付かなかった景色気付いてはいたが見たいと思っていなかった景色を、気持ちの良い風景に変えてくれる事があります。

間#08
の廊下の写真です。
写真中央の小さな窓から見えているのは、道路を挟んだ隣の敷地の竹林です。小さい窓にする事で、窓の先の風景がより強調されます。
同じ間#08の吹抜け上部の写真です。

同じ道路側の窓ですが、高さが違うので、見える景色も少し変化します。高い位置についている為、外部から見られる事は無いので、大きな窓を採用しました。ブリッジの様なすのこ床に座り、このFIXの窓を眺めると、竹林と、その先の山や空が見え、とても気持ちがいいです。
間#10の台所から中二階を見た写真です。

中二階の窓から見える木は、隣のお宅の庭に生えている木です。
木だけ見える様に、窓を取り付けました。
最後に間#01のファミリールームから外階段を見た写真です。

道路の先に有る緑が綺麗です。
同じ窓を取り付けるにしても、少し工夫をする事で、随分印象が変わる物です。