設計事務所のつくる住宅〜窓 景色 2011.01.21 設計事務所のつくる住宅 「窓」は住宅設計をする上で、とても重要な要素の一つです。 窓には採光・通風はもちろん、視線の透過による空間の広がり(開放感)・内部と外部の連続性等々、様々な役割があります。 今回は、その中でも、「景色を切り取る窓」について書こうと思います。 窓の位置や形状を工夫する事で、見たい景色のみを切り取り、その景色をより強調する事が出来ます。 間#10の中二階部分の窓です。 横長の嵌め殺し(FIX)窓を取り付け、田園風景を切り取っています。取り付け位置は、立っている時も、座った時にも景色が見易い様に、低めに取り付けてあります。同じ景色でも、窓の形状を変えると、雰囲気が変わります。 はめ殺しの窓を縦長にする事で、奥行きが出て、空や山が見えてきます。 又、位置や形状の工夫は、更地の時には気付かなかった景色・気付いてはいたが見たいと思っていなかった景色を、気持ちの良い風景に変えてくれる事があります。 間#08の廊下の写真です。 写真中央の小さな窓から見えているのは、道路を挟んだ隣の敷地の竹林です。小さい窓にする事で、窓の先の風景がより強調されます。 同じ間#08の吹抜け上部の写真です。 同じ道路側の窓ですが、高さが違うので、見える景色も少し変化します。高い位置についている為、外部から見られる事は無いので、大きな窓を採用しました。ブリッジの様なすのこ床に座り、このFIXの窓を眺めると、竹林と、その先の山や空が見え、とても気持ちがいいです。 間#10の台所から中二階を見た写真です。 中二階の窓から見える木は、隣のお宅の庭に生えている木です。 木だけ見える様に、窓を取り付けました。 最後に間#01のファミリールームから外階段を見た写真です。 道路の先に有る緑が綺麗です。 同じ窓を取り付けるにしても、少し工夫をする事で、随分印象が変わる物です。