設計事務所のつくる住宅〜中庭 2010.12.10 設計事務所のつくる住宅 今回は、「中庭」です。 敷地の条件(隣地が近い、南面が道路、等々)から、外部に対して大きな開口部が取り難い事が有ります。そう言う敷地条件にあって、「中庭」を設ける事は、外部からの視線を遮り、空間に開放感を持たせるのにとても有効です。 「中庭」といっても、その大きさや仕上げ、連続する居室の種類によって様々です。 下の写真のお宅は、玄関を入ると中庭が有ります。 この中庭は4方向すべてを建物や壁で囲まれている為、外部から見られる事は無く、プライベートな庭として計画しました。 この中庭の先には、道路が有るのですが、室内からは全く気になりません。このお宅は、(株)信成さんの企画住宅で、私は設計を担当させて頂きました。 次のお宅は、「中庭」を壁で囲うのではなく、建物で囲ったお宅(間#08)です。 建物の形状をL型にし、食堂と居間で囲う様に中庭を配置しました。このお宅の敷地は、2面は道路に接し、その他の2面は、隣地までの距離が十分確保できる土地でした。そこで、道路面に対しては建物で視線を塞ぎ、その他の面は開放的にしました。そのため、建物の形状はL型となったのです。 「中庭」のデッキは、室内の床とフラットにし、出入りがし易い様にする事で、室内の延長としての使用を想定しています。 最後に、建物をコの字型にし、「中庭」を設けたお宅(間#01)です。 このお宅は、2世帯住宅で、完全分離型(玄関・水回りが各世帯ごとに有る)で、「中庭」を共有のスペースとして利用しています。 この中庭は、3方向を建物で囲われている為、プライベートな庭として機能しています。中庭にはそれぞれの居間・食堂等が接していて、中庭を介してそれぞれの居間が、間接的に見える様になっています。 どのお宅も、外部からの視線が気にならないため、開放的で気持ちの良い空間が実現できました。