「設計事務所のつくる住宅」カテゴリーアーカイブ

設計事務所のつくる住宅〜玄関収納

玄関の収納といえば、「下駄箱」が一般的かと思います。
しかし、私が設計させて頂いた多くのお宅には、「下駄箱」がありません。

代わりに、1帖〜3帖ほどの「玄関収納」という「部屋」を玄関の近くに設けています。


間#10より

一つの「部屋」とする事で、靴だけでなく、傘や外用のほうき、雪かき、趣味の道具(ゴルフクラブやスキーの板等)、ベビーカーなど、外で使用する物が収納できます。3帖程度の「玄関収納」であれば、子供用の自転車もおけます。

「玄関収納」内部は、可動棚が設置され、自由に棚の高さを変更できます。又、ヒヤリングの段階で、収納したい物を具体的に教えて頂けた場合、それに合わせた収納を確保します。


間#09より

用途に応じて、通り抜けられるような動線や、もう一度玄関に戻らずに、直接玄関ホールに繋がる動線などを確保する事もあります。

この「玄関収納」を設ける事が、いつも「すっきりとした玄関」を可能にします。

設計事務所がつくる住宅〜子供達のスペース

間#10のヒヤリングの際「居間をいつもすっきりさせておきたい。」というお話がありました。

その際、私が頭に浮かんだのが、「子供のスペース」です。

お子さんが小さいうちは、親のそばで遊んだり、勉強したりする事が多いと思います。私の息子も、小学生ですが、勉強机ではなく、ダイニングテーブルで宿題をしています。そうなると、徐々に荷物が居間や食堂周辺にあふれてきます。

それを解決する為に、間#10では、台所の背面「スタディールーム」というスペースを設けました。

幅4.5m、奥行き50cmカウンターを、一般的なダイニングテーブルと同じ、床より70cmの所に設置してあります。

手元が暗くならないように、窓を設置し、照明は移動できるスポットライトを採用しました。

カウンターの背面には、奥行き40cmの可動棚と引き出しを設け、おもちゃや教科書・ランドセルを収納できるようにしてあります。

引き出しや可動棚は、家族4人という事で縦に4つに仕切ってあります。この収納の奥行きは88cmあり、半分を台所の収納半分をスタディールームの収納にしてあります。

高さは床より1.2mに押さえ、台所から振り返ると、スタディールームが見えるようにしてあります。

このスペースをお子さんの為のスペースだけでなく、パソコンスペース家事室にも使って頂けるように計画しました。

もちろん、これとは別に2階に子供室を確保してありますが、
いつまでもこのスペースを有効に使って頂けたらと思っています。

設計事務所のつくる住宅~動線 キッチン

最近、プランニングの要望として「使いやすい動線(特に家事動線)」と言われる事が多く、そのことについて、私の考えを少し書かせていただきます。
今回は、「キッチン」についてです。

キッチンには、様々な形状・配置方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。打合せでキッチンを選ぶ際、「使い勝手」「そこでどんな時間を過ごしたいか」を選択基準にしていただくことをお勧めしています。私が設計したお宅で、最近多く選択されているのは「アイランド型」です。

アイランド型の最も大きなメリットは、「動線が二方向確保できる」事だと思います。行き止まりにならないことで、動線がスムーズになります。例えば、台所の脇に、片側には家事室や食品庫を、反対側には脱衣所や物干し場を設ける事で、家事動線を直線にすることが出来ます。

中には、アイランド型がいいのだけれど、「手元が見える」事、「IH・ガス台側が壁に付いていない」事が気になる、といった方もいらっしゃいます。「手元が見える」事についてはキッチンを薄い壁で囲い、目隠しを作る事で解決しました。
上の写真は安曇野市の住宅「間#09」のキッチンの写真。
写真の白い腰高の壁の部分がキッチンです。背面は台所収納です。扉は全開でき、食器・電気製品・冷蔵庫・ゴミ箱等が収納できるようになっています。収納脇奥の通路は、洗面脱衣所・食品庫・家事室・ウォークインクローゼットに繋がり、反対(手前)の通路に出てきます。

「壁に付ける」事については、壁の向こう側を家事室や食品庫にする事で、二方向の動線を確保しました。


上の写真は高森町の住宅「間#08」の写真。
写真の、キッチンを挟んで左奥が家事室、右奥が食品庫になっていて、家事室・食品庫は繋がっています。

このように、同じアイランド型のキッチンでも、配置方法で随分変わってきます。

台所は調理をする方にとって、多くの時間を過ごす場所です。
少しでも気持ち良く調理が出来たらいいですよね。

完成!!

少し遅くなりましたが、昨年末に完了検査を受けたお宅についてご紹介したいと思います。

この家は、お施主さんが工事に参加したいという事で、大工さんと相談をしながら、一緒に作った家です。私は、プランニングや、構造部分の設計・ディテールや工事全般のアドバイス等で参加させて頂きました。

掲載した写真はそのお宅の外観です。

外壁は、お施主さんが仲間と一緒に塗った土壁です。専門家の指導のもと、何度も塗り重ね、とても良い表情に出来上がりました。

この家の基本コンセプトは、お施主さんの希望でもある、全体にシンプルで、家族と共に、その間取りや使い方・表情が変化していく家です。

10年後、20年後にはどんな家になっているのでしょう。
とても楽しみです。

設計事務所のつくる住宅〜設計料

設計事務所に設計を依頼すると、「設計料」がかかります。

設計料の基準は特にないので、金額は設計事務所により違いますが、多くは、工事金額の8%〜15%と言ったところではないでしょうか。

実際、設計の必要ない住宅はありませんから、どこに依頼しても設計料は必要です。ただ、それを設計料として明記しているかどうかの違いです。

私の場合、設計業務をいくつかに分けて、それぞれにかかる費用を積算し、設計料を決めています。具体的には、1,プランニング 2,詳細打合せ 3,詳細図面作成 4,各申請費用 5,工事監理の5つです。細分化し、設計料の内容を明確にしたいと考えたからです。

設計事務所に設計を依頼した場合、設計段階の打合せは、基本的に建築家が行います。その打合せ内容を図面化し、施工会社さんに伝え、現場に反映して頂くと言う流れになります。

では、どの時期から設計料が発生するのかという事ですが、これも設計事務所ごとで違います。設計料は設計契約をした段階から発生します。

私は、お施主さんに「この事務所に設計を依頼するかどうか」をご判断いただくために、最初のプレゼンテーションは、無料で行っています。このプレゼンテーションと、それまでの打合せ等で、ご判断いただき、納得して設計業務を依頼して頂きたいのです。

設計業務を御依頼いただくと、設計契約となり、詳細図面作成に取りかかる、と言う順番になります。

詳細図面が出来上がった所で、その図面を元に施工会社さんに積算をして頂きます。金額の調整を3者(お施主さん・建築家・施工会社さん)で行い、お施主さんと施工会社さんとで工事契約を結んで頂きます。

工事契約後、設計事務所は各役所に申請を行います。施工会社さんは着工の準備を行います。申請した書類が許可になった時点で着工となります。

着工後、現場に行き(私の場合、週に1,2回程度)、不都合や不具合がないか確認をするのが、工事監理です。また、着工後に、現場で3者打合せなども行います。

工事が完了すると、もう一度役所に検査の申請を行います。この検査に合格して、お引渡しとなります。

ここで、設計業務が完了し、最終金をお支払いいただく事になります。

と、ざっと説明させて頂きましたが、御不明な点がありましたら、お問い合わせください。

設計事務所のつくる住宅〜断熱

今日は住宅の断熱性能について、少し書かせて頂きます。

先日、お付き合いのある業者さん数名とお話しさせて頂く機会があり、その中で、エコロジーと言う話が出たからなのですが…

住宅の断熱性能をどこまで上げるかは、建築家により違います。
そこには様々な考え方があるからです。

私は、高断熱・高気密化をお勧めしています。

その理由は、大正生まれの祖母の影響でしょうか、おかげ?で貧乏性なので、ランニングコストを極力抑えたい、と思っています。実際、過剰に暖房や冷房をつけた室内の「空気」があまり好きではありません。しかし、最もくつろげる場所である家で、我慢をしていては意味がありません。ランニングコストを極力抑えつつ、快適な住環境をつくりたいと思っています。

ランニングコストを抑え、快適に過ごすには、自然のエネルギー(夏場は風・冬場は太陽光)を住宅内部に取り込み、そのエネルギーを有効活用する必要があると考えます。まさに、昔の日本家屋の考え方です。ただ、自然エネルギーを取り入れただけでは、有効利用とは言えません。有効利用というには、エネルギーを逃がさない必要があり、そのために、住宅の断熱性のを上げなければいけない、と至った訳です。

自然エネルギーの有効利用となると、住宅の断熱性能を上げるだけでは実は不十分です。

太陽光を取り入れるための大きな開口部も、外部からの視線が気にならないように配置しなければ、常にカーテン(レース等)やシャッターが閉まったままになってしまいます。風通しも、一部分だけでなく住宅全体の風の流れを考える必要があります。

また、ランニングコストを抑えるために、イニシャルコストが過剰にかかったり、住宅の耐久性が損なわれたりしてはようでは意味がありません。

普段私は、北海道で40年以上前から建てられている工法を元に、次世代省エネ基準のII地域(長野県はIII地域)程度の断熱性能をお勧めしています。

実際に設計に際してどの程度の断熱性能にするかは、住まわれる方とご相談の上、決定して頂きます。その際の参考として、体感温度に個人差があるので、以前設計させて頂いた住宅を見せて頂いたり、住んでいらっしゃる方の意見を聞いて頂いて決定しています。

では、住宅の断熱性能を上げるとどうなるのかと言う事ですが、長くなりそうなので、次回書かせて頂きます。済みません。

設計事務所のつくる住宅 〜 価格

設計事務所に住宅を依頼する事に対して、色々な疑問や不安を持っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。そんな疑問や不安を少しでも取り除いていただけたらと思い、このブログで「設計事務所のつくる住宅」について、少し書かせていただこうと思います。

設計事務所のつくる住宅のイメージとして、私が一番多くお聞きするのが、「高い」と言う事です。

私が設計業務を始める際に、まずお聞きするのが、住む方の「御要望」「御予算」です。決められた御予算の中で御要望を満たすにはどのようにしたら良いか、ここからプランニングが開始します予算の中に収まっていなければ、どんなにいいプランも実現出来ないからです。

また、人が長い時間を過ごすための器として、住宅はこうあるべきと言う思いが建築士それぞれにあります。これらを総合して形にするために、試行錯誤が始まります。この試行錯誤から工夫が生まれ、そこに住まれる方のオリジナルの住宅が出来上がります。

御予算も十人十色です。
住宅をつくるには、様々な諸費用等が発生します。予算のすべてが住宅にかけられる訳ではありません。それらを試算して、新築で住宅にかけられる費用が一千万円台という方からも、実際に御依頼を受け、設計させていただきました。

住む方のご予算に合わせて、どこに費用をかけ、どこを抑えるのかを一緒に検討しながら住宅をつくるのが設計事務所のつくる住宅だと、私は考えています。

少し固い話で、済みません。